うみそらひとことば

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菅島を離れて

 

 私は、菅島という離島で育ちました。離島で育った特別な経験は、私の心に深く刻まれています。離島の人々は、温かいコミュニティとつながりを大切にしています。自然の恵みを分かち合い、皆がお互いを知り、助け合う関係は、都会では経験できるものではないと考えます。

 そんな素敵な島ですが、子供の数が減少している現実は気がかりです。この二つの現象に対する混ざり合った気持ちは、私の共感と決断の葛藤をもたらしました。
 
 子供たちの減少は、小学生の人数がどんどん減ってきており可視化できる程の問題です。さらに中学校に進学すれば、船で本校に通うことになります。当時両親が交通の便を考慮して引っ越しを提案してくれました。私たち家族は島を離れる決断をしましたが、新生活に向けたドキドキワクワクとともに、モヤモヤとした気持ちもありました。

 

 当時のことを振り返り改めて自分の気持ちを再確認しました。将来この島に帰ってくるという気持ちもどんどん薄れていっていることに気づきました。さらに今後、都会への誘惑や進学・就職の機会などで離島へ帰るかどうかの決断をする時が来ると思います。若者が大都市での夢やチャンスを求めるのは理解できる一方、その結果として離島の未来が危うくなることへの不安。この葛藤は、個人の夢と地域の存続のバランスを考える難しい問題です。

 

 決断を迫られる場面では、地域の指導者、住民、若者たちが協力して、バランスを取る方法を見つけることが大切です。子供たちにとっても魅力的な未来を創り、同時に地域の価値観と絆を守り抜くことは、簡単ではありませんが、その価値は計り知れません。

 

 離島の存続を願いつつ、都会への道も開かれている今、私は難しい選択に直面しています。この決断を通じて、地域の魅力を守りつつ新たな可能性を模索する勇気と知恵を持って、未来へ進んでいくことが求められていると思います。