今日は暑かったですね。まだ六月だし、梅雨のさなかだというのに、しんどかった。
涼しい詩を載せてみます。また、竹内浩三さんです。
冬に死す
蛾が
静かに障子の桟(さん)からおちたよ
死んだんだね
なにもしなかったぼくは
こうして
なにもせずに
死んでゆくよ
ひとりで
生殖もしなかったの
寒くってね
なんにもしたくなかったの
死んでゆくよ
ひとりで
なんにもしなかったから
ひとは すぐぼくのことを
忘れてしまうだろう
いいの ぼくは
死んでゆくよ
ひとりで
こごえた蛾みたいに
誰にも気にされず、みんなから忘れられて、いいわけはないのです。
でも、もしそうだったら、いや、それが人の人生なのかもしれないのです。私たちがどんなにジタバタしたって、すぐにみんなから忘れられてしまうんです。それが普通です。
そういうことをかんがえたら、何のために自分は生まれたのか、そして、自分はやがては死んでいくのかねそんなのイヤだと思うはずです。
そんな風にしてもがいていくと思うのですが、あんまり考えないで、ゲームばかりする人生もありますか。あっという間に、年寄りになってしまうのになあ。
誰からも忘れられてしまう。何のために生きたのかもわからない。それでも、私たちはとにかく生きてる間は生きるのです。面白おかしく生きていかなきゃ。いろんな世界を見なくちゃ! そう思うんだけどなあ。