うみそらひとことば

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Kと私とお嬢さん

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★ Kから「覚悟ならないこともない」と聞かされて、一瞬はおだやかな気持ちになれた私は、その日の夜中に話しかけられた際、自分自身は熟睡していたのでまともに反応できませんでした。

 翌朝に何か話したいことがあったのではないかとKに確認してみましたが、Kはまともに答えません。そして、私の疑念が起こり、私は仮病を使って奥さんに結婚を申し込み、奥さんは了承してくれました。

 幸せな気分に一瞬はなりましたが、Kを裏切った事実は消すことができず、私からKに何か言い訳しなくてはと思っているうちにKは自殺してしまうのでした。


 そこで、次の四つの質問に答えてください。

質問一 上野公園から帰ってきた夜に、Kが声を掛けてきたのはなぜか。Kは私に何か言いたかったのか、あなたの考えを述べてください。

 

質問二 Kは理想を強く求めてきた男でしたが、どうして私(先生)に自分の恋を打ち明けたのか、あなたの考えを述べてください。


質問三 友人である私(先生)が、Kを裏切って自分の結婚を決めたことを知ったとき、あなたがKであったら、どのように思いますか、書いてみてください。

 

質問四 もしあなたがお嬢さんなら、下宿人であり、時々は話もしていたKが亡くなったのをどのように感じますか、書いてみてください。

 

◆ 私の個人的な答え

一について  とりあえず何かおしゃべりしたかったのではないか。それくらい人恋しい気分になっていた。今まで全く他人の助言など必要とせずに生きてきたのに、誰かを好きになったとたんに、いろんな人のコメントや考えが知りたくなった。そこで一つの成長のチャンスができたのです。でも、ここからKくんは成長(人間臭い生き方?)を拒否して自分だけで完結する生き方を選んでしまいます。

 どうしてそこを越えられなかったのか。

 たぶん、当時の人たちにとって、自分の信念を徹すということは、ものすごく大切なことだったのだと思われます。その信念を徹せないとしたら、徹せないという無念のために自らの命を絶つこともあり得たのです。

 

 今の私たちは、そこまで自分の信念というものを大切にしていません。それよりはいかにして生きるか、いかにして生を楽しむか、生きている間に何ができるか、そういうことばかりで頭がいっぱいです。だから、ムダな時間が許せなくて、徹底してムダを無くそうとしている。

 はたから見たら、それはあまり意味のあることに見えなくても、本人として充実した生き方ができるのでそれでOKというわけです。

 

 というわけで、私は人恋しかった。何かおしゃべりをしたかった。でも、私はグータラ学生のため、すぐに寝込んでいて、私の話し相手にならなかった。もっと昔から、徹夜しておしゃべりする関係だったらよかったのに!

 

二について  先ほども述べましたが、Kは助言が必要のない、自分だけで完結するような生き方を選んでいました。けれども、人に関わることには他人の意見が必要だったのです。初めての経験だったことでしょう。どうだったかなあ。

 

三について  そうか、そういうことがあるのか。なんだつまらない。

 

四について  どうして死んでしまったのか。よくわからないままに死んでしまって、迷惑でもあり、不安でもあり、少し悲しい気持ち。